日本スープ協会
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「1日のスタートは朝のスープから!」セミナーを開催(報告レポート)

 日本スープ協会では、12月11日(火)、12月22日(いつも フーフー)の「スープの日」を前に「1日のスタートは 朝のスープから!」をテーマにセミナーを開催しました。このセミナーに主婦の方100名を無料招待!セミナー参加者には、スープセットをプレゼントいたしました。
 協会(横山敬一会長)挨拶のあと第1部の講演では、女子栄養大学栄養クリニックで生活習慣病栄養相談、ヘルシーダイエットの指導、栄養士教育等に従事されている蒲池桂子先生に、朝食の重要性とスープの利用の仕方などをタップリお話ししていただきました。
 第2部のトークセッションでは、蒲池先生に加え、学術博士(食物学)の佐藤氏、農学博士の御堂氏の3人と、参加者からの質問を入れるなどして「スープで楽しく健康づくり」の楽しいトークショーを開催しました。佐藤先生からは、朝食に最適なスープレシピ(豆・豆苗、豆乳クリームスープ)、御堂先生からは、最近のデータをもとにスープによる体温上昇効果等、蒲池先生の話も交えながらスープを活用した効率的な朝食のとり方など紹介されました。

【概要は、以下のとおりです。】

1 日時平成24年12月11日(火) 14:00〜16:00
2 場所お茶の水 ホテルジュラク 2階 孔雀の間
3 内容 (1) 会長挨拶
(2) 講演 (45分)
テーマ:「スープを利用してハリのある生活」
 講師 蒲池桂子氏(女子栄養大学栄養クリニック教授、管理栄養士、栄養学博士)
 
      休憩(20分) 休憩時間にセミナー会場でスープの試飲
 
(3) トークセッション (50分)
テーマ:「スープで楽しく健康づくり」
 蒲池先生講師 蒲池桂子氏(女子栄養大学栄養クリニック教授、管理栄養士)
 佐藤秀美氏(学術博士(食物学)、栄養士)
 御堂直樹氏(クノール食品(株)部長、農学博士)
 
〔司会者  藤咲あかね 氏〕
4 セミナー募集人数:100名 (1) 応募者数 504人
(2) セミナー参加者 120人(会員等含む)

横山会長挨拶の内容

 挨拶では「1日の平均気温が20℃を切るとスープが飲みたくなる、10℃を切るともっともっと飲みたくなる。昨今、朝食抜きで職場や学校で集中力や元気のない人が増えている。スープで心も体も暖かくしたい。スープを通じて朝食を摂取できる環境づくりや健康的な生活に寄与できるよう今後も様々な活動を行っていきたい」等のお話しをされた。

蒲池先生講演内容

 朝食をとることがどれほど健康につながるかということを、次の四つポイントを中心にお話をされました。
1.学力向上には朝食が必要である。
2.肥満は依然増えており、若い人のやせも問題。肥満からの動脈硬化、やせからの妊娠異常、免疫低下が問題となり、医療費を圧迫している。
3.解決方法の一つには、朝起きて、朝食を食べる事そしてその見直しが大切である。
4.スープは満足度、野菜摂取、栄養価などを考えると朝食に上手に使って家族で元気に過ごすのによい。
1 学力向上には朝食が必要である。
朝食をとらないと体の中に燃やす燃料がないので、体の中にある脂肪や筋肉になっているものを燃やしていかなければならない。これは非常に時間と手間がかかり、急激には体温を上げることはできない。
2食だと頭の働きも悪く血糖値もうまくコントロールできない。いろいろ病気になってしまうことが多い。
全寮制の医学部で、朝食を食べていない人達と食べている人達の違いを調査したところ、必ず寮で朝食を食べる人達は国家試験に受かる率がものすごく上がり、全員受かったという、朝食で差が出た事例を紹介された。
子供が朝食を食べるかどうかというのは、保護者が食べるかどうかにかかっており、保護者が食べない場合は子供もほとんど食べない。保護者が食べる場合は食べている。保護者が朝食を食べるということが、子供の世代にも大きな影響を与えている。
2 肥満からの動脈硬化、やせからの免疫低下が医療費を上げている?
一般的に朝食を食べる人は、少なくなってきている。それがどのように影響しているかというと医療費である。今、医療費が多くかかっているのは終末医療と透析。透析には1人当たり、1年間に700万円〜1,000万円になる。ほとんど全額が国家の負担になり、それらの負担は国民がすることになる。
寝たきりならないためには、この前の段階のところをいかに自分でコントロールしていくことが重要。そこで大切なのは薬より食事と運動。あともう一つストレスをコントロールしていくこと、この2つをコントロールすることによって、医療費が節約でき、60歳を過ぎても、元気で楽しい毎日を過ごすことができる。
40〜60代の女性はやせているが、70代の女性だけは太っている。最近また30代の女性は、太ってきていて。反対に20代の女性はやせてきている。このやせは必要以上にやせているため、食事がきちんと取れていない可能性がある。そういう人たちが子供を育てるとなると食事がきちんとできていない子供を育てている可能性が出てきている。そこが問題として上げられている。
65歳の寝たきりの方の状態をみると、みんな血管疾患になっている。そして動脈硬化が多い。だから太っていて高血圧でメタボリックシンドローム等の方々は、寝たきりになりやすい。
認知症は、葉酸(ビタミンB)の入っている野菜を食べていないとなりやすいということが分かってきている。また、葉酸又はビタミンB群というのは、うつを予防するということも分かってきた。肥満、動脈硬化、認知症等、みな食事が関係あるようだ。
3 解決法の一つには、朝食を食べる事そしてその見直しが大切である。
(1) 朝食と生活習慣病の関係
朝食の量を減らしすぎない。
脂肪の多い食事を朝とりすぎると脂肪を蓄積しやすい体になる。
塩分の多い食事は、日中血圧が高くなる傾向にある。
朝食は、脂肪の少ない、タンパク質は通常程度、糖質はでんぷん質の多いものが理想である。
(2) 概日リズムと食事
人間の体内時計は、脳の中にある「主時計」と、抹消細胞のいたるところにある「末梢時計」の2種類があり、その2つのリズムが同調することで、正しく1日のリズムが刻まれている。主時計のリズムは25時間周期で1日を感じて、食べたり寝たりするが、毎朝、光を浴びることで24時間にリセットされて24時間の日周リズムを保っているようだ。それをしないと、末梢時計がリセットされない。10年位前までは、光だけだったが、今では朝食を食べるということでリズムが保てることが分かってきた。
末梢時計がリセットされないとリズムが乱れるので、肥満者が増加や脂質の代謝異常やホルモンの分泌異常、うつなどを招く原因となる。

※概日リズムとは、サーカディアンリズムといって、概ね1日のリズムで変動する生命(理)現象のことである。

(配付資料抜粋)
 主時計:目の奥のところに光を感じる視交叉上核(しこうさじょうかく)の中で周期的に神経内分泌活動を起こしている。基本は25時間周期だが、毎朝光を浴びることで修正され、24時間の日周リズムを保っている。
 末梢時計:末梢組織いたるところにあり、朝食で決まる。一定の時間に朝食をとることで主時計と同調し、これが習慣になると、一定時間に食べなくても予知行動を起こす。これを「給餌性リズム」という。

(3) 肥満者増加の背景
1.運動不足
2.生活リズムの乱れ
3.高脂肪食
4.朝食欠食者

   (朝食欠食者の問題点)
心身活動の低迷
朝食を欠食することで、人体は、エネルギー節約反応をおこし体表面温度が上がりにくくなる。
糖新生※による筋肉の減少
欠食によって、血糖値が下がるために筋肉を取り崩し肝臓で糖新生反応が起こる。筋肉減少によって体力の低下、安静時エネルギーの低下につながる。
※糖新生とは、アミノ酸等の糖でない物質から糖をつくることである。
朝食欠食後の食欲亢進
血糖値低下後、昼食で急激に血糖値が上昇するとこれを脂肪に変えるインスリンが過剰に分泌されて肥満になる。
時計遺伝子の防衛反応による肥満
朝食を欠食すると脳の視交叉上核にある主時計遺伝子は飢餓の危険を感じて、極力、身体活動をさけようとして、そのかわり非常時に備えて脂肪の合成を促進します。時計遺伝子のリズムの乱れは、運動能力を低下させる。
4 スープは満足度、野菜摂取、栄養価などを考えると朝食に上手に使って家族で元気に過ごすのによい。
(1) スープの活用
1.スープは満足感を高める。
だしとなるアミノ酸が加水分解をしており、脳の満腹中枢に働きかける。
2.スープは食べ過ぎを防ぐ
水分を含んでいるため低エネルギーでお腹を満たす。
3.スープは痩せやすい
満足度及びお腹を満たすという条件の下、ダイエット法としても利用できる。
(2) スープの効用
1.野菜がたくさん
1回で楽々130g程度の野菜をとることができる。
      (参考)野菜の1日摂取目標:350g以上
2.身体が温まります
朝から体温が上がり、やる気が出てくる。
*塩分を気にされる方は、具沢山(野菜等)汁にして食べることがポイント

 以上 朝食の重要性と食生活にスープを取り入れ、野菜をたくさん食べましょう!というお話を展開された。

トークセッション(朝食にお勧めのレシピ、体温上昇効果、質問等)

 トークショーは、御堂先生の進行で進められました。
〇御堂氏
「スープで楽しく健康づくり」というテーマを大きく2つの話題に分けて進めた。
1つは、健康のためのスープのレシピ、どういうものがあるかということ、もう1つが、スープの健康価値。
〇佐藤氏
(朝食の必要性)
「朝起きた時点で不足している栄養素は糖質。肝臓は、半分の組織がだいたい10日間で入れ替わるぐらいの猛烈な速度で代謝しており、それに必要なエネルギーが使用される。脳の唯一のエネルギー源であることも、朝、糖質が必要なことの理由である。
水溶性のビタミンは、体の中で蓄積できないので、朝起きたときに枯渇している状態。具体的には、ビタミンB1、B2、ビタミンC等が枯渇している。
一方、慢性的に日本人に不足している栄養素が国民健康栄養調査で発表されている。それによると、ビタミン、食物繊維、ミネラルが挙げられる。
(朝食にお勧めのレシピ)
栄養的に尊敬している野菜、おたすけマンとして普段の食生活に活用している野菜は、よく使う順に豆苗、ブロッコリー、かぼちゃ。
豆苗が何故いいかというと、栄養価が高いだけでなく、工場生産だから。つまり、洗わなくてもきれいなので、これが一番朝に役立つ理由。洗わなければダメだと言っている方がいるかもしれないが、私自身は、洗っていない。
ブロッコリーはチンして食べれば、栄養素はそのまま保持できるので便利。かぼちゃはちょっとひと手間かかる。
朝にもう一つ、食物繊維、ミネラル源とするために、豆の水煮を欠かさないようにしている。豆の水煮は食物繊維が格段に多く、これがいい。
紹介するレシピは、豆・豆・豆クリームスープというもので、「豆・豆苗・豆乳クリームスープ」の頭文字を取ってこのように呼んでいる。作り方が非常に簡単。
豆・豆・豆クリームスープは、粉末のポタージュスープを使ったメニューで、まず、豆苗、これを洗わないで刻み、豆乳に混ぜてお皿に入れ、電子レンジで2〜3分間加熱する(1人分)。それにポタージュスープの粉末を溶き入れる。そうすると、ポタージュスープの裏面の調理法で作った状態までが仕上がる。これを、もう一回電子レンジにかけるととろみが出るので、混ぜた後、もう一回電子レンジにかけている。その後、トッピングとして豆を入れる。そうすると、一つの容器で栄養の整った一品ができる。トッピングは、毎日同じものを使う必要はなく、好みの野菜等を利用してもよい。
スープを上手に利用することで、野菜がしっかりとれる。あるいは野菜だけでなく、食物繊維源、ミネラル源である豆もとれる。そのため、朝に不足している栄養素、また日本人が不足している栄養素を上手にとれる。
市販のスープというのは、凄いなあと思っている。日本スープ協会のイベントだから凄いといっているわけではない。インスタント食品のこの頃の発達は凄いと思う。何を食べてもベースの味がきちんとしている。だから、それをそのままでなく、ちょっと手を加えるだけで、十分においしく、栄養源として活用できる。
〇御堂氏
(体温上昇効果)
スープを飲んだ後の温度感覚、つまり体が温まった感覚と、体温がどういう関係になっているかについてデータで紹介。
まず、温度感覚をどういうふうに評価したかということから説明。温度感覚は主観的に自分がどのように感じているかという感覚で、よく心理学の分野で使われるVAS(バス)※を使用。
評価のサンプルは市販のスープで、飲み頃の温かい65℃のスープ、それから体温と同じ37℃のスープを使用。
温度感覚は、普段感じるように、温かい65℃のスープを飲むと体が温まる感じがする。一方、体温と同じ37℃のスープだと、温度感覚はほとんど上がらない。
次に、体温はどのように変化したかについて説明。体温を測る方法は色々あるが、今回は、一番簡単な鼓膜温で測る(耳で測る)方法。
先ほどの温度感覚は、温かい65℃のスープを飲んだ場合、一旦上昇した後、すぐに低下するが、体温はそれに比べ長い時間維持されている。しかも、常識的には瞬間的に体温が上がるとは思えないが、体温と同じ37℃のスープを飲んでも体温は上がる。カロリーの影響であれば、もう少し遅れて体温が上がってくると考えられるので、カロリーの影響ではない。
この結果の面白いところは、体温と温度感覚の動きがずれていることと、体温と同じ37℃のスープでも直後に体温が上がることである。37℃のスープでも体温が上がったことから、スープの温度だけでなく味覚が体温上昇に関与する可能性がある。
温かい65℃のスープを飲むと、体温は0.1〜0.2度位上がるが、足先の温度は、時間的にちょっと遅れて2℃位上がる。また、体温よりも長い間足先の温度は上昇し続ける。(*先生も足先の温度がこんなに上がるとは思わなかったようです。)
今回の試験は、冷え性の方10名、冷え性でない方10名で行っているが、冷え性であるかないかで違いはなく、両者ともに同じように上がる。
※VAS(バス)とは、評価用紙に10cmの横線が書いてあり、その片側が非常に暑い状態、その反対側が冷えきった状態として、自分が今どういうところにあるか、横線の上にチェックを入れ、これを経時的に評価していくという方法である。
【質問】

質問としては、1.「今日は、朝のスープということですが、仕事で夜遅く帰ってきたとき、胃に負担のかからないスープとか食材があったら教えて頂きたい。」、2.「納豆を朝食べていたが、夜食べた方が良いという情報を得て、それから夜食べるようにしていますが、栄養面など体に対して、食べる時間はいつがいいのでしょうか。」などが寄せられた。回答は次のとおり。

【回答】
1.について
佐藤氏
寝る3時間位前に固形物を食べるのは、控えた方が体重への影響は少ない。
寝た後に胃の中に残るのは、脂肪なので脂肪の少ないものが良い。
液体のものは、夜飲んでも消化しやすいのでスープ等を利用すると良い。
蒲池先生
何も食べないで寝てしまうと疲れが取れない。
スープ等を飲むことによって、体も温まり、よく眠れることにつながる。
御堂氏
眠りにつくのに大事なことは、体温がゆっくり下がっていくことで、その幅が大きいと眠りにつきやすい。
夜、寝る前に温かいものを飲むといいのは、体温が一旦上がって下がるので、その幅があるからいい。
温かいものとして、コンソメに野菜と鶏肉をいれて簡単にできるポトフを紹介。(たんぱく質も野菜も摂取できる。)
2.について
蒲池先生
どこで食べても構わない。消化がいいということはある。
佐藤氏
明け方の5時頃、脳血栓多発のデータが出ている。
納豆キナーゼは、脳血栓を溶かす作用が明らかにされているので、脳血栓を気にされる方は夜食べることをお勧め。

*佐藤先生のお勧めのスープは、「豆苗+豆(ビーンズミックス等)+豆乳+カップスープポタージュ」です。ひと手間加えるだけでとても体にいい、栄養面でも優れたスープを是非ご家庭でも試してください。レンジで簡単に出来ます。

【写真】

1 案内・吊り看板等
案内・吊り看板等 案内・吊り看板等
2 セミナー等風景
会長挨拶 蒲池先生 セミナー風景
会長挨拶 蒲池先生 セミナー風景
3 試飲コーナー
試飲コーナー 試飲コーナー 試飲コーナー
4 トークセッション
トークセッション トークセッション
トークセッション トークセッション トークセッション
5 質問
質問 質問
6 プレゼント風景
プレゼント風景 プレゼント風景

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