日本スープ協会
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「1日のスタートは朝のスープから!」セミナーを開催(報告レポート)

 日本スープ協会では、12月16日、「スープの日(12月22日)」に先駆けて「1日のスタートは 朝のスープから!」をテーマにしたセミナーを開催いたしました。このセミナーに主婦の方を無料招待いたしました。
 協会長 品田英明の挨拶の後、第1部では、女子栄養大学教授、博士(栄養学)の武見ゆかり先生に朝食の必要性、効果的な食事のとり方、スープの利用の仕方などをご講演頂きました。第2部では、武見先生に加え、料理研究家、料理サロンボアメーザを主宰される若林三弥子先生、クノール食品株式会社・農学博士の御堂氏による「スープで楽しく健康づくり」をテーマにしたトークセッションを行いました。参加者からの質問にもお答えいただくなど楽しいトークセッションとなりました。

※スープの日:12月22日(いつも フーフー)

【概要は、以下のとおりです。】

1 日時平成25年12月16日(月) 14:00〜16:00
2 場所アイビーホール青学会館 「サフランの間」 東京都渋谷区渋谷4-4-25
3 内容 (1) 主催者(会長)挨拶
(2)基調講演(45分)
テーマ: 「スープで目覚め 若々しい1日を!」
 講師  武見ゆかり氏(女子栄養大学教授、博士(栄養学)、管理栄養士)
 
      休憩
 
(3) トークセッション(45分)
テーマ:「スープで楽しく健康づくり」
 武見ゆかり氏(女子栄養大学教授)
 若林三弥子氏(料理研究家、サロンアドバイザー、料理サロン ボアメーザ主宰)
 御堂直樹氏(クノール食品M部長、博士(農学))

〔司会者  藤咲あかね 氏〕
4 募集人数:120名 参加者125人(会員等含む)
5 プレゼント 参加者全員にスープセットをプレゼント

品田会長挨拶の内容

 本日のセミナーは、朝食にターゲットを当てております。それは朝食の欠食率が高く、平成23年度の厚生労働省の調査では、20代男性の朝食欠食率は、約34%、女性は29%という結果が出ております。朝食を抜くと頭がスッキリしない。朝食をとって、さわやかに1日をスタートさせたいものです。スープは手軽に作れて栄養が取れ、子供さんからお年寄りまで幅広い年齢層に食べてもらえます。朝の目覚め、健康づくりにスープの良さを実感し活用してもらいたい。今後も協会の活動の一つとして、朝食の欠食率の増加に歯止めをかけたい等のお話しをされた。

武見先生講演内容

1:スープで目覚めよう
朝食の欠食率について、男性では、20歳代及び30歳代、女性では20歳代が最も多い傾向がある。また、朝食欠食が始まった時期を比較すると、男女共に20歳を過ぎてからが最も多い。
なぜ、朝食を食べる事が必要なのか、時間栄養学の観点から言えば、それは、朝食を食べることで体内時計がリセットされるから。人間の脳には、時計遺伝子が組み込まれていて、慨日リズム(サーカディアン・リズム)を刻んでいる。この慨日リズムは、25時間周期であり、放っておけば、毎日1時間ずつ遅い方にずれていくことになる。
それをリセットするのが、朝の太陽の光と、朝食である。朝の光が脳の視床下部にある主(中枢)時計遺伝子に刺激を与え、朝食が小腸や血液などの細胞の末梢時計遺伝子の刺激となり、両者が同調して24時間の日周リズムを保っている。すなわち体内時計がリセットされる。
朝食を抜くと、2つの時計遺伝子の同調がうまくできないので、体温、血圧、代謝などのリズムが崩れ、主時計遺伝子の生体防御反応により、エネルギー代謝が制御され、脂肪合成を促進する。結果として、運動能力を低下させ、肥満の要因となる。
朝食は、生体の24時間の日周リズムを保ち、生活リズムを整える。朝食を食べている子どものほうが、欠食している子どもに比べ、集中力が高まり、成績が良いという理由もここにある。
朝食は、生体の24時間の日周リズムを保ち、生活リズムを整える。朝食を食べている子どものほうが、欠食している子どもに比べ、集中力が高まり、成績が良いという理由もここにある。
全寮制の自治医大生を対象に朝食摂取者と欠食者の成績を比較したところ、摂取者の成績が高いことが分かった。また、小・中学生を対象とした調査でも摂取者の方が、成績が高いことが分かった。
また、中学生を対象とした調査では、朝食欠食は、成績に関係するだけではなく、健康状態など生活の質(元気がない等)に対しても影響を与えることが分かった。
朝食は、寝ている間に枯渇したエネルギーを補給し、体温を上昇させ、身体の活動を高める役割がある。
エネルギーの補給には、ごはん・パン・麺などの主食。体温の上昇にはたんぱく質の供給源となる肉・魚・卵・大豆製品を主材料とする主菜。それらの栄養素を効率よく代謝するにはビタミン・ミネラルの供給源となる野菜・海藻・きのこ・いもを主材料とする副菜。この3つを組み合わせた食事が望ましい。
体温上昇の関連で話をすると、食事をとると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費される。そのため、食事をした後は安静にしていても代謝量が増加する。この増加を食事誘発性熱産生という。
食事誘発性熱産生は、たんぱく質のみで摂取エネルギーの約30%、糖質のみで約6%、脂肪のみで約4%増加する。
通常の食事はこれらの混合で約10%程度であるが加齢や運動不足で筋肉が衰えると、基礎代謝が低下するだけでなく食事誘発性熱産生も低下する。逆にトレーニングで筋肉を増やすと食事誘発性熱産生は高くなる。
主食・主菜・副菜のそろう一汁三菜の食事は、日本人の健康にとても大切である。小学生を対象とした調査でも、主食+2品以上の朝食を食べている児童の方が健康状態が良いというデータもある。
とはいえ、朝からバランスの良いいくつも料理をつくるのは大変なので、肉や魚と野菜を組み合わせたスープとご飯(パン)といった組み合わせで、簡単に主食、主菜、副菜のそろう朝食が実現できる。また、同じスープでも温かいスープの方がより体温上昇に効果的と言われている。
2:スープで上手にウェートコントロール
スープを飲んでいる方が、肥満のリスクを低下させるという報告が国内外である。
日本人男性を対象とした調査研究では、年齢、エネルギー摂取量、飲酒量、喫煙の有無、エネルギー消費量を調整してもスープの摂取回数が多いほどBMIや腹囲が低値になる。とくに25歳から45歳の若い年代で顕著である。
また、アメリカの国民健康・栄養調査データをみてもスープの摂取頻度とBMI及び腹囲は低値の関連を示し、スープを飲まない人は飲む人に比べ肥満及び過体重のリスクが高いことが分かった。
スープが肥満に予防的に働くメカニズムとして、同じ材料のスープと固形食を比べた結果、スープは、食後血糖値が固形食より早く高まり、また食後の胃から小腸への排出時間が遅く、結果として食べた人の満腹感が高いことが分かった。
※BMI (Body Mass Index) とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数<体重kg÷(身長m×身長m)>である。低体重(やせ)、肥満等の判定基準がある。
3:スープで無駄なく栄養を
日本人がスープと一緒に摂りたいのは、まだまだ不足しがちな野菜。目標は300〜350gの摂取が望ましいが、国民平均の野菜摂取量は300gに達していない。年代別では、平均摂取量300gを超えているのは、男性は60歳代と70歳代、女性は60歳代だけ。
健康のために1日に食べることが望ましい野菜の重量は?と埼玉県(4市)で、30〜50歳代の人々に調査したところ、350gと答えた人は、男性で約30%、女性で約40%と認識の低さが伺える。
野菜に含まれるビタミンやミネラルの一部は、調理過程で水分に溶出する性質を持っているのでこの性質を利用し野菜から溶出した栄養分をまるごと利用できるのがスープの利点である。
ただし、食塩の摂りすぎに要注意。日本人の7〜8割は食塩摂取量が過剰であり、高血圧予防と循環器疾患予防および胃がん予防のためにも減塩は重要。スープは、調味した汁をまるごと飲むのでその分食塩摂取量が多くなりがち。そのために具沢山にして汁の量を減らすことや食材のうま味と「だし」を利かせたスープが望ましい。だしには、塩味と対比効果があるので薄味でも美味しく感じることができるので、食材のうま味と「だし」を利かせて、美味しく栄養満点の薄味のスープを。
4:まとめ
(1)スープで目覚めよう
 スープで手軽に主食・主菜・副菜のそろう朝食を食べて、体内時計をリセットし、活力ある1日をスタートさせる。そして、元気で若々しい1日を!
(2)スープで上手にウェートコントロール
 スープは、固形食に比べて、ウェートコントロールに有用そう………。
(3)スープで無駄なく栄養を
  汁に溶出した栄養素も、丸ごと利用できるのがスープの利点。ただし、食塩の摂りすぎには、ちょっと気をつけましょう。

“皆様の生活の中に、スープを朝食だけでなく、ぜひ取り入れてみてください。”

トークセッション:武見先生、若林先生、御堂先生

 トークショーは御堂先生の進行で、朝にお勧めのスープ、ハッピーエイジング、スープの体温上昇効果等の話題を中心に進められました。
【若林先生】
楽しく「食卓を囲む」、「食べたり」、「食べさせたり」、「作ったり」といった行為は人間だけの営みです。また、そしゃく(咀嚼)することは、栄養を体全体に行き渡らせるのでとても大切です。
朝食にスープを飲む場合でも単に流し込むという事ではなく、具材を多くするなどそしゃくしながらスープを食することが大切です。
朝の目覚めは、一日の始まり、それを食事に例えると「アミューズ」。よくコース料理などで、前菜の前にアミューズとありますが、それは、これから料理を楽しむという意味です。一日の始まりである朝食を楽しむ(アミューズ)という心掛けが大切です。
【武見先生】
料理を作るという事、共食(食卓を囲む)という事が、人間の食事の特徴と言われておりますね。
【御堂先生】
美味しさの定義は、味覚だけではなく、文化的な側面や生活環境(誰かと一緒に食べる)によって得られるものとも言われておりますね。
【若林先生】
主食、主菜、副菜をバランス良く食することが大切ですが、その中でも副菜(野菜)の摂取がとても大切だと思います。1のタンパク質に3程度の野菜を取るのが望ましいと考えます。
野菜を調理する上で、一般に、茹でたり、蒸したりしますが、茹でたり、蒸したりする事で、野菜の栄養分が抜け落ち、非常にもったいないと私は考えます。
わたしの場合は、野菜を調理するのに「蒸し炒め」という方法をとります。鍋の蓋をしっかりとして短時間で蒸しあげるので、水蒸気に溶け込んだ野菜の栄養分が外部に漏れずに閉じ込める事ができます。
【武見先生】
茹でたりした場合、ビタミンやミネラルが放出してしまうので「蒸し炒め」調理法が合理的だとおもいますが、例えば、灰汁の強い野菜の場合はどうするのでしょうか?
【若林先生】
強火で蒸し上げるので、大量の水蒸気が発生し、例えば、シュウ酸を含む、ほうれんそうなどでもあまり感じられない。野菜における灰汁は、タンパク質の灰汁とは違い、上手く調理すれば、うま味に変わると考えます。
例えば、きんぴらごぼうでもこの調理方法で作るとごぼうの本来の味で食することが出来ます。
「蒸し炒め」した野菜を鍋のままハンドミキサーなどでスープにすることで、野菜の栄養を損なわない野菜スープができます。
ベーコン、豚バラ、生ハムを少量入れて、野菜スープを作るとうま味も引出されてとてもおいしいです。また、豆乳を入れてもおいしいですね。
塩はうま味を引き出すのに必要です。ベーコンや野菜等のうま味と相乗効果が出ますので塩は少なくてすみます。
【若林先生】
アンチエイジングという言葉を聞きますが、自然の摂理に逆らうことなので、楽しく食卓を囲んだり、食事を楽しみながら歳を取っていく、ハッピーエイジングを私は提唱したいと思っております。
【御堂先生】
スープを飲むことによる体温のアップについて実験しました。温かい65度と体温と同じ37度のスープを飲んでもらい、体感温度と実際の体温を比較した場合、温かい65度のスープを飲んだ場合、体感温度は温かく感じる。その後、体感温度が下がったと感じた時間でも体温は高く維持されている結果が出ています。37度のスープだと体感温度はほとんど上がらないが、体温は少し上がっている。いかに、感覚があてにならないかということです。
単に温かい物を飲めば体温が上がるというのではなく、スープに含まれるカロリーや風味によって体温が上がっていると考えられます。
また、足先など身体の末端での体温の上昇は大きく、冷え症の方でもその上昇の傾向は顕著であった。
体温が上がると何故よいのか?手先作業がし易くなることは、もちろん、記憶力や学習能力も上がることが分かっています。
スープは他の飲み物と比べてもとろみの影響で温度の保持時間が長いというデータがあります。冷めるのが遅い分、温かいまま食することができ、「スープを飲むと温まる」という事に繋がります。

質疑応答

Q:市販のスープで簡単アレンジスープの調理方法はありますか?
【若林先生】
コーンはうま味を多く含みますので、コーンスープの素を調味料として使います。玉ねぎスープは、だしになるので、カレーやシチューなどにも使う場合があります。わかめスープは、雑炊に。トマトスープはトマトにうま味があり、チーズやえのきだけを入れると良い。又様々な料理にも合います。
【武見先生】
市販のスープを使うときには、そのまま使わずに、食べる人に合わせ、冷蔵庫にある野菜を加えるなど、ひと工夫加えて調理することが大切だと思います。
【御堂先生】
市販のスープを豆乳や牛乳で作るとまた違う味わいや栄養を得る。野菜などをレンジで温めて入れるとまた美味しい。
Q:朝の食卓でスープを出すが、主人が熱いのが苦手なのか、(時間的なことか)スープを飲まない。会社に着いた後などにカップスープなどでも「朝に飲むスープの効果」は得られますか?
【武見先生】
熱いので飲めないのであれば、スープの温度を調整するなど、朝食による朝の目覚め効果を得るためには、一日の主な活動の前にスープなどを食することが望ましい。 ただ、会社に着いてからでもスープなど食事をとることは、エネルギー補給という点では効果があり、何も食べないよりはスープなど飲むことは望ましい。

【写真】

1 案内・吊り看板、受付等
案内・吊り看板等 案内・吊り看板等
案内・吊り看板等 案内・吊り看板等
2 司会者
司会者
3 セミナー等風景
会長挨拶
会長挨拶 会長挨拶
会長挨拶
武見先生
武見先生 武見先生
武見先生 武見先生
武見先生 武見先生
会長挨拶
4 トークセッション
トークセッション トークセッション
トークセッション トークセッション
トークセッション トークセッション
トークセッション
5 会員製品展示コーナー
会員製品展示コーナー 会員製品展示コーナー
会員製品展示コーナー 会員製品展示コーナー
会員製品展示コーナー 会員製品展示コーナー
会員製品展示コーナー
6 プレゼント風景
プレゼント風景 プレゼント風景
プレゼント風景 プレゼント風景

(プレゼント製品)

  味の素株式会社:「クノール カップスープ」ベーコンとポテトがたっぷりのポタージュ
エム・シーシー食品株式会社:4種野菜とカニのビスクスープ
キユーピー株式会社:3分クッキング 野菜をたべよう チャウダーの素
ネスレ日本株式会社:マギー 化学調味料無添加コンソメ
ハウス食品グループ本社株式会社:ごちそうチャウダー <クラムチャウダー>
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社:じっくりコトコト牡蠣(かき)のポタージュ
理研ビタミン株式会社:わかめスープ

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