日本スープ協会
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日本スープ協会セミナー(2022年度)日本スープ協会「スープの日」セミナー『栄養を捨てない!効果的な食材の採り方。スープへの活用法』【報告レポート】

日本スープ協会では、「スープの日」である12月22日(いつも フーフー)に先んじて、2022年12月15日(木)に「栄養を捨てない!効果的な食材の採り方。スープへの活用法」をテーマにしたセミナーを開催いたしました。  第1部では、東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部課長の濱裕宜先生より、「栄養を捨てない!効果的な食材の採り方。スープへの活用法」をテーマにご講演いただきました。貴重な食材を効率的に活用することでお財布に優しく、健康的な食生活を送りたいところです。効率的な栄養摂取のテクニックを活用したスープの摂り方を、栄養学に詳しい濱先生に解説いただきました。

第2部では、家族の朝食をきっかけに10年間作り続けたスープをもとに、雑誌、ウェブ、テレビなどでレシピや暮らしのアイデアを発信している有賀薫先生から、「無駄なく美味しく栄養を摂れる、簡単アレンジスープレシピ」(計3品)として、市販スープを活用したアレンジレシピを紹介するとともに調理デモンストレーションを実施しました。

※スープの日:12月22日(いつもフーフー)

【セミナーの概要は、以下のとおりです。】

日時 2022年12月15日(木) 14:00〜15:30
※ Zoomウェビナーによるオンラインセミナー
定員 950名
参加費 無料(事前申し込み制)
募集期間 2022年11月7日〜12月4日
登壇者 濱 裕宜先生(東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部課長)
有賀 薫先生(スープ作家)
セミナー内容

第一部:
 講演『栄養を捨てない!効果的な食材の採り方。スープへの活用法』

 濱 裕宜先生(東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部課長)

第二部:
 調理デモ 『無駄なく美味しく栄養を摂れる、簡単アレンジスープレシピ』

 有賀 薫先生(スープ作家) ※調理デモンストレーションのみ

質疑応答

講演:
「栄養を捨てない!効果的な食材の採り方。スープへの活用法」 / 濱裕宜先生

3食きちんと食べていても知らず知らずのうちに必要な栄養素の不足や食材の栄養をムダにしているケースがある。
栄養不足の原因は単なる食生活の偏りに限らず、野菜そのものの栄養価が落ちていることや、栄養価の下がりやすい旬以外の食材が簡単に手に入るようになったことで、食材そのものの栄養価が下がっている可能性も。
日本人が特に不足しがちな栄養素のひとつとして、食物繊維があり、特に、20代〜50代の働く世代での不足が顕著。
野菜の生長点(野菜はどの方向に成長していくのか)を理解することで、野菜の栄養価を無駄なく摂取することができる。

野菜は収穫後も成長を続けており、栄養素が移動していく。白菜は中心部から外側に栄養が逃げていくので、中心部を先に食べるとよい。

 

野菜の切り方を工夫することで身体が吸収できる栄養価は変わってくる。

・ピーマンは輪切りよりも細切り  
・にんじんは皮付近に最も栄養が詰まっているので皮を切り落とさない  
・ほうれん草はゆでてから切る

 

保存方法も重要。なんでも冷蔵庫に入れればよいというわけではない。

・トマト、ナス、キュウリなど夏野菜は寒さに弱いので冷蔵保存よりも常温保存  
・ブロッコリー、アスパラガス、ほうれん草、トウモロコシなどエチレンガスを発する食材に注意  
・キノコ、小松菜、ニラ、シジミは冷凍保存することで栄養価が増す

 

食材の組み合わせを工夫することでより効率的に栄養を吸収することができる

・ネギやニラに含まれるアリシンは豚肉に含まれるビタミンB1を、効率よく吸収する手助けをしてくれる
・骨付き肉+お酢でカルシウムの吸収が約2倍
・ナス+油でナスニンの流出を防止

 

ごぼう、ナス、れんこんなどはあく抜きをすることでビタミン、ミネラルが流出してしまうのであく抜きは不要。
野菜は基本的に捨てるところなし!と考えて食材を無駄なく使用する。栄養価を効率よく摂取でき、調理の手間を省くことができる。更にはゴミを減らすことができる。
不足しがちな食物繊維を補うおススメの食材は「もち麦」
もち麦に含まれる「βグルカン」は腸環境を改善する効果、また、食後の血糖値を下げる効果がある。
大麦はゆでて冷凍保存可能。ごはんに混ぜる、ハンバーグやミートローフに入れる、肉の代替品として使用する、冷凍のままスープに入れるなど日常の食生活に手軽に取り入れられる。

調理デモンストレーション:
無駄なく美味しく栄養を摂れる、簡単アレンジスープレシピ/ 有賀 薫先生

① 冷凍きのことほうれんそうのポタージュ

冷凍きのことほうれんそうのポタージュ

② かぼちゃとにんじんの和風スープ

かぼちゃとにんじんの和風スープ

③ にんにくチキンチャウダー

にんにくチキンチャウダー

調理デモンストレーション料理

●有賀薫先生に紹介・調理いただいた3品

① 冷凍きのことほうれんそうのポタージュ

レシピ展示

②かぼちゃとにんじんの和風スープ

レシピ展示

③ にんにくチキンチャウダー

レシピ展示

質疑応答の様子

質疑応答の様子 質疑応答の様子

・参加者から食材の調理・保存の方法などたくさんの質問が寄せられ、濱先生、有賀先生それぞれのお立場から丁寧にお答えしていただきました。

【質疑応答の例】

Q スープの健康上でのメリットは。
A @具材が柔らかく消化吸収がよいので胃腸にやさしい  A食材の栄養がまるごととれる

  B調理方法、材料によって目的別にアレンジできる

Q ホウレンソウは茹でてアク(シュウ酸)抜きをと学校で習ったが。
A 気になるようなら、レンチン後に冷水でサッと洗い流せば十分。

Q 塩分制限でスープの塩分が気になるが。
A 具沢山のスープにすると汁自体が減るし、野菜の甘味、だしのうま味、薬味などから得られる満足感から、塩分は控え目でもおいしくいただける。また、それだけでメイン料理になるので一食トータルの塩分を減らすこともできる。

Q おでんの大根も下茹しない方がいいのか。
A おいしさか栄養かの選択となる。おでんの大根は下茹でした方がおいしいと割り切ってもいいのでは。

その他配信映像

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(上段)<左より>冒頭あいさつ、濱先生講演
(中・下段) 有賀先生デモンストレーションの様子

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